この記事はアイゼンシュタイン級数
と,約数関数
とラマヌジャンの公式
についてまとめてみました
保型性
アイゼンシュタイン級数
はの時に絶対収束する関数で
という性質を持つ,いわゆる重さの保型関数でありなら
になる.
ちなみにの場合は条件収束になるため
というようにはいかない.
基本的に重さが奇数の保型関数はのみであるため,が奇数の場合考えないことにする.
この性質は
及び
より示せる.
ワイエルシュトラスp関数との関係
周期1との二重周期を持つ関数
について考える.とおくとの2つ整数にわたる和なので
と書ける.
ここでを微分したに注意して
と式変形し,が奇数の時であることから
が出せる.
約数関数との関係
のとき
について,の場合を分けて
とする.
指数部が偶数なのでとの組み合わせで同じ値になるため
ここでについてはの無限積
から考えることができる.
具体的には
を対数微分して
一方はとを使って
と変形できるので
であり,に対し両辺微分を回行うと定数項は消えることに注意して
になる.
こうしてとし,と調整を行うと
なので
ここで以前導出したゼータ関数の偶数の値
aryuaryuaryuryu.hatenablog.com
を変形し
こうして
が得られる.
つまり
最後に,と置換すると,約数関数を使って
最後にとし,表記を整えて
という約数関数を含む式が得られる.
この形から
という正規化アイゼンシュタイン級数を用いることも結構あるらしい.
これはに定数を乗じているだけなので
が成り立つ.
ラマヌジャン和
ラマヌジャン和
について,アイゼンシュタイン級数から示せる.
これはのとき
という式が成り立ち,特に
なので
ここで正規化アイゼンシュタイン級数の導出過程に出てきた
から
なので,を代入し
と式変形した後に,以前計算したを用いて
aryuaryuaryuryu.hatenablog.com
から
が示せる.
この導出過程から,が奇数,のとき
が得られる.