デデキントイータ関数についてのメモ(1)
デデキントイータ関数
についてのメモ
概要
デデキントイータ関数
は上半平面で収束する関数になる.
実際とすると
なのでの時にが収束することから確認できる.
これの24乗は重さ12の保型形式になる.この記事はそれを示す.
示し方はジーゲルの方法を用いる.
η(z+1)の場合
明らかに
になる.
η(-1/z)の場合
問題はこっち.
結論から言うとになる.
これを示していきたい.
対数による式変形
最初はηの対数を考える.
これでを用いて
が示せる.
つまりの両辺の対数をとると
式を整理
の範疇で収束するため総和の入れ替えを行い
等比級数になるため総和をへらすことができる
ここでの式に変形するため
1を足し1を引く
整理
を利用する
なので
対称にしたほうが今後計算しやすいので
こうして
を示せば良いことがわかった.
ジーゲルの方法
ジーゲルはの関数を用いて示した.
テイラー展開で式変形を行い
等比級数の式で式変形を行い
展開を行う.今回は留数が確認できればいいので簡単にしか考えない.
についてはの時は極が3つあるのでそれ以外を考える.
の周期はに注意すると,の時はに対応する一位の極になる.
更にの時はに対応する一位の極になる.
よって
最後にの極について計算をし
を得る.
,,,の4点を結ぶ閉路をとする.
するとの積分について,と極限をとると留数定理から
が得られる.
次にこの積分を直接計算する.
と置換すると積分経路はの4点を結ぶ閉路になる.
あとはの極限を取りたい.
の極限は
から
になることが確認できる.
より
であることに注意をすると,複素平面上の原点とを結ぶ直線より
左側は
右側は
であることがわかる.
つまり極限を取り
に変形ができ,式を整理し
積分を計算する.
2つの積分の経路はからとから
のようになっているが,置換し極限を取った後の被積分関数は原点以外正則なのでからの積分経路を原点中心の上半面上の半円をからへ通りからに移動する経路に変更する.
すると
になり,
が得られる.
後者の積分はの置換を使った.
こうして
が得られたため
を示すことができた.
よってを示すことができた.
ηの関数等式
これまでの議論で
の2つを示すことができた.
2つの両辺を24乗すると
になるため,η関数は重さ12のモジュラ形式になり
になることがわかる.
この24乗根を取ると,適切な1の24乗根を用いて
が得られる.
より詳細な式については,
であり,指数部の関数は
になる.