音楽室と化学室と美術室とPC室の融合部屋 所謂自由室

趣味と気分で適当に色々やります.なんかあるとたまに更新します.

1=2についてのチラシ裏

皆さん1=2のお話知っていますか

まぁおなじみの誤った計算によるおかしい結果のネタなんですけど,なんとなくどういう仕組なのか改めて見直してみたいなと思いました.



解のすり替えによる方法

概要

a = bとする
両辺にaを乗じて
a^2 = ab
両辺に-b^2を足して
a^2 - b^2 = ab - b^2
両辺を因数分解して
(a+b)(a-b) = b(a-b)
両辺からa-bを除算すると
(a+b) = b
最初にa=bと仮定していたので
2a = a
よって
2=1
が得られる.

というものです.懐かしいですね.

仕組み

簡単のためにx = aと置き換えましょう.
両辺にxを乗じて
x^2 = ax
問題はここだと思っていて,この時点で解が2つできてしまうんですよね
その解はx=ax=0の2つです.
つまりx(x-a) = 0となっていますし,実際に移項すると確認できますね.


次にこのx(x-a)=0からx-aを除去し,x=0を解とする式にしてやります.
正直この時点で「あれれー?1=0だぞー?」でもいいですが,そのままですとあまりにも露骨なので,因数分解という手順を踏むことで曖昧にしていきます.

両辺に-a^2を足して
x^2-a^2 = ax-a^2
因数分解
(x+a)(x-a) = a(x-a)
そうして
x+a = a
つまりx=0・・・じゃなくて2a = a2=1が出来上がりましたーパチパチパチという内容ですね.

色々遊んでみたい

つまり,解の挿げ替えをうまいこと行うことができれば,任意の「A=B」みたいな結論もたどり着くのでは?

実はA+1 = Aという1違いの式にするのは非常に簡単で(逆計算して考えました)
x = aとする.
両辺に(A-1)aを加算し
x + (A-1)a = Aa
両辺にxを乗じる
x^2 + (A-1)ax = Aax
両辺からAa^2を引き
x^2 + (A-1)ax - Aa^2 = Aax - Aa^2
因数分解
(x+Aa)(x-a) = Aa(x-a)
こうしてx-aを割れば
x+Aa = Aa
なので,x=aと仮定していたので
A+1 = A
になる.

つまり,6=5に帰着させたいのであれば
x=a
両辺に4aを加算し
x+4a = 5a
両辺にxをかける
x^2 + 4ax = 5ax
両辺から5a^2を引き
x^2 + 4ax - 5a^2 = 5ax - 5a^2
因数分解
(x+5a)(x-a) = 5a(x-a)
こうして
x+5a = 5a
により
6 = 5
になる.


周期関数の逆関数によるもの

概要

-1=\frac{-1}{1} = \frac{1}{-1}
根号をかけて
\frac{\sqrt{-1}}{1} = \frac{1}{\sqrt{-1}}
両辺に\sqrt{-1}をかけて
-1 = 1


仕組み

極端な話,(-1)^2 = 1^2なので平方根をとることで-1 = 1と言ってるようなもの.
指数関数は複素関数では周期関数であるため
e^{a + 2\pi i} = e^{a}となる.

つまり整数kに対し指数がa + 2k\pi iであれば同一の値となるが,平方根などのような根号を用いることでこの同一の値を崩すことができる.

言ってしまえば
\cos{(2\pi)} = \cos{0}で両辺内部を2で割り\cos{\pi} = \cos{0}なので-1 = 1
というような内容.


これはe^{\pi i}e^{3\pi i}について,実数で見るとどちらも-1ですが,
\frac{1}{2}乗することによりe^{\frac{\pi i}{2}}e^{\frac{3}{2}\pi i}となってしまうことが原因.
e^{\frac{\pi i}{2}} = iですが,e^{\frac{3}{2}\pi i} = -i = \frac{1}{i}となるので,先程の計算と合ってますね.

極端な話をすると
(-1)^2 = 1^2
なので
-1 = 1
としているようなものです.




なんとなく思いついた2例について考えてみました.まる.