音楽室と化学室と美術室とPC室の融合部屋 所謂自由室

趣味と気分で適当に色々やります.なんかあるとたまに更新します.

非行少年がケーキを三等分できた世界線と二分探索について

『ケーキの切れない非行少年たち』という本がありますね.
円形のケーキが三等分できない非行少年についてのお話です.


通常ケーキの三等分について想像しやすい切り方は以下の通りですね

でも三等分について無理に扇形にする必要ないようにも確かに思います.

例えば以下のような切り方で三等分する方法について考えてみましょう.



ケーキの半径をrとします.
左右対称に切ることを考えると,この赤の部分について全体の円の面積の\frac{1}{3}であれば良いので,

扇形から緑色の部分を引けば良いですね.

中心角を\thetaとし,計算を行うと
\frac{1}{2}r^2\theta - \frac{1}{2}\cdot 2r\sin{\frac{\theta}{2}}r\cos{\frac{\theta}{2}} = \frac{1}{2}r^2\theta - \frac{1}{2}r^2\sin{\theta}

この結果が\frac{1}{3}r^2\piになれば良いので
3\theta - 3\sin{\theta} = 2\pi

これを満たす\thetaを計算できれば良いですね.
自分には計算できないので,プログラムを使って具体的な値を出そうと思います.

・・・というのも,左辺の3\theta - 3\sin{\theta}は単調増加なので,二分探索で計算できます.
具体的には,\theta = 0\sim \piについて,中間の\frac{\pi}{2}を代入して計算し,それが2\piより大きければ,値は\theta = 0\sim \frac{\pi}{2}の間に存在し,2\piより小さければ,値は\theta = \frac{\pi}{2} \sim \piの間に存在する.

このように,2つの値の中間の値について考え,計算結果が大きいか小さいかで繰り返し計算していくようなものです.


そこでこのようなプログラムを組みました.

先程の二分探索を10000回行うものです.回数についてはあまりこだわりはないです.
そして中心角\thetaが出せれば,\cos{\frac{\theta}{2}}で中心からどの程度離せば\frac{1}{3}になるかわかるわけです.

結果は
\cos{\frac{\theta}{2}} = 0.264932084602777\cdots
つまり中心から\frac{1}{4}強ほどの箇所で切ることができれば\frac{1}{3}が切り出せるわけですね.


ここから先は左右対称に切っても良いし

中心から垂直に切り出しても良い


というわけで,非行少年がケーキを三等分にできる世界線について考えてみました.