今回は以前にも取り上げた完全数についてです.
メルセンヌ素数はで表すことができる素数で,小さい順に3,7,127,8191,...と並びます.
この素数と完全数がどのように関係するかというと
という関係にあります.
以下証明.
ちなみに奇数の完全数は見つかっていません.存在するかも不明という実は未解決問題でもあります.
約数関数
約数関数はいくつか種類があり,一般的にはと定義されます.
はの約数の個数を表し,と表記します.
ちなみにのときと表記し,これがの約数の和になります.
例えばです.
特に完全数では,その数自体も約数であるためのように,となります.
M(M+1)/2が完全数である証明
つまりメルセンヌ素数を用いてになります.
は素数なので,約数関数を用いて
ここでなので
になります.
また明らかに.
つまり
ここでと戻すと
つまり
であるため示すことができた.
偶数の完全数がM(M+1)/2である証明
偶数の素因数分解の結果を,2と2以外の数と考慮すると,何かしらの奇数と整数を用いてと表現できる.
ここで明らかになのでとなる.
ここでになるので
またを完全数と仮定するとなので
ここでであるため,との最大公約数を用いてとと表現できる.
をで表現すると
つまりになる.
仮定ではとしており,また計算結果ではとなっていたため,
ここでと表現できていたので,は自身ではないの約数になる..
ここで
のときは最低でも約数はであるためと矛盾.
つまりであり,,となる.
ここでであるため,明らかには素数.
参考文献
初等整数論からp進数へ