まえがき
2つの平方数の数の和で表すことができる数は何でしょう?
この問題は難しいので,少しやんわりとするなら
2つの平方数の数の和で表すことができる素数は何でしょう?
これについては例えば
等がありますね.
偶素数についてはのみなので今後考えないとして,奇素数で考えるなら
という法則があります.
ちなみに2つの平方の和で表すことができる数同士の積は
となり,結局2つの平方の和で表すことができます.
次に2つの平方の和で表すことができない数が素因数に含まれている場合は
とできるので,2つの平方の和で表すことができない数の素因数は偶数乗であれば大丈夫.
つまり,
ということになります.
以下は
というお話の証明についてです.
4で割って1余る素数は2つの平方の和で表すことができることの証明
難しいのは
4で割って1余る素数は2つの平方の和で表すことができる
の方.
この証明には第一補充法則
を用います.
ここでルジャンドル記号であり,分数ではありません.
詳しくは以下の記事を参照.
aryuaryuaryuryu.hatenablog.com
この第一補充法則は,素数が4で割って1余るならを満たすが存在することを示します.
これは最終的にであることを用いるため,大切なキーになります.
以下をを満たすものとします.
次に
となるについて考える.
このの取り方はそれぞれの通り存在する.
つまり,の取り方は通り以上存在する.
つまりの組み合わせでを法として合同となる組み合わせは存在するので,
という関係になるが存在することがわかる.
ここで
と移項を行い両辺を二乗すると
ここではの解を前提としていたので
よって,と置くと
となるの組み合わせが示せる.
だががの倍数になるの存在は示したが,であることを示すには・・・?
というと,実は
を前提に考えていたので,は以上になることはない.
つまり未満の正のの倍数となるとに限定される.
よって
ということを示すことができた.