音楽室と化学室と美術室とPC室の融合部屋 所謂自由室

趣味と気分で適当に色々やります.なんかあるとたまに更新します.

Twitter漫画の解答

Twitterに以下のような4コママンガを投稿しました.

※最初アップしたのは右側の2コマ目の条件が少し不適だった(最初アップしたものは全部合わせて10000以上50000以下だった)ので書き直しています.

f:id:Aryuaryuaryuryu:20200325174113p:plain

4コマ

これには出ている条件全てを用いると一応答えが一意に定まるようにはしています.

 

 

 条件を全て書き下すと

N+Q+Z+C \leq 5000

Q=3N

Z=2N

C=\frac{3}{4}Z

C+Z=\frac{p(p+1)}{2}

Q+N=q^2

になる.

ここでZ=4kと置換すると

N=2k

Q=6k

Z=4k

C=3k

C+Z = 7k = \frac{p(p+1)}{2}

Q+N = 8k = q^2

になる.

 

ここで

Q+N = 8k = q^2

について,

k = 2\left(\frac{q}{4}\right)^2

と変形してやり\frac{q}{4} = yと置換すると

k = 2y^2

になる.

一方

C+Z = 7k = \frac{p(p+1)}{2}

について,p = \frac{x-1}{2}と置換すると

7k = \frac{x^2 - 1}{8}

になり

56k = x^2 - 1

が得られるので,先に得たk = 2y^2を代入すると

112y^2 = x^2 - 1

つまり

x^2 - 112y^2 = 1

とペル方程式が得られる.

 

基本的にペル方程式

x^2 - Dy^2 = 1

の解については,Dが平方数でなければ(x,y) \neq (1,0)となる整数解が存在し,

\sqrt{D}の正則連分数展開を用いると機械的に解が得られる.

 

正則連分数展開は以下の操作を繰り返すとできる.

f:id:Aryuaryuaryuryu:20200326100720p:plain

√112の正則連分数展開

 

この正則連分数展開を続けると

f:id:Aryuaryuaryuryu:20200326102559p:plain

√112の正則連分数展開の結果

となり,循環することが確認できる.

しかしこれではスペースを取るので,整数部分と連分数部分を用いて

\sqrt{112} = [10 : 1,1,2,1,1,20,1,1,2,1,1,20,1,1,2,1,1,20,\cdots]

と記し,更に

\sqrt{112} = [10 : \overline{1,1,2,1,1,20}]

といったように循環する範囲をオーバーラインで表すことがある.

 

循環部分が偶数個の場合はペル方程式の解はこの連分数展開を一巡する1つ前

f:id:Aryuaryuaryuryu:20200326102943p:plain

今回のペル方程式の解

まで計算すれば求められるが,奇数個の場合はx^2 - Dy^2 = -1の解が得られる.

 

今回の場合は

\sqrt{112}\sim \frac{127}{12}

が得られ,これが\frac{x}{y}に対応する.

つまり今回の

x^2 - 112y^2 = 1

の最小解は

(x,y) = (127,12)

になる.

 ちなみに

x^2 - 112y^2 = (x+\sqrt{112}y)(x-\sqrt{112}y) = 1

 と変形し,両辺を2乗すると

(x+\sqrt{112}y)^2(x-\sqrt{112}y)^2 = (x^2 + 112y^2 + 2\sqrt{112}xy)(x^2 + 112y^2 - 2\sqrt{112}xy) = 1

になり,次点で大きな解(x,y) = (127^2 + 112*12^2 , 2\cdot 127\cdot 12)が計算できる.

これを繰り返すと,(x_0,y_0) = (127,12)として

x_{n+1} = x_nx_0+112y_ny_0

y_{n+1} = x_ny_0+x_0y_n

という漸化式を計算すると逐次的に大きな解を計算していくことができる.

 

最初の問題

N+Q+Z+C \leq 5000

Q=3N

Z=2N

C=\frac{3}{4}Z

C+Z=\frac{p(p+1)}{2}

Q+N=q^2

に戻るが,これらを用いると

x^2 - 112y^2 = 1

が出たのでこれの解を求めることになった.

k = 2y^2

とおいたので,k = 2\cdot 12^2 = 288が得られる.

ここで

 

N=2k

Q=6k

Z=4k

C=3k

 と置換していたので

N=576

Q=1728

Z=1152

C=864

が得られ,N+Q+Z+C \leq 5000を満たす.

 

ちなみに一段回大きな値を計算すると,

N=37161216

Q=111483648

Z=74322432

C=55741824

になるが,これはN+Q+Z+C \leq 5000を満たさないので不適.

ここまでくると流石に電卓使わないときつい.